Race Rules ウェイトプル
日本犬ぞり連盟(JFSS)ウェートプルルール
2001年12月改定
総則《動物愛護とスポーツマン精神》
● JFSSウェートプルルールは、動物愛護とスポーツマン精神に基づき、安全かつ公平に運営される為のものである。
● ハンドラーは、競技会場内において自分に属する全ての犬に対し、責任を負わなければならない。
● ハンドラー、参加チーム関係者は、常に動物愛護の精神とスポーツマン精神に基づき行動すること。
第1章 参加規則
1条 資格
1項 参加申込み
① 参加者は、競技開催前に主催者が定める締め切りまでに参加申込みを行う。
② 主催者は、正当な理由により参加申し込みを拒否できる。
③ 主催者は、動物を虐待、管理放棄及び、管理できない者をJFSS認定の競技に参加させてはいけない。
2項 ハンドラー(競技参加者)
① 男女別、年齢制限はない。但し主催者の独自の基準により年齢制限をすることができる。
② ハンドラーの交代は認めない。
但し、病気・怪我などの理由で交代する場合は競技開始前に主催者に申し出、レースマーシャルが許可した際はその限りではない。
③ 一度失格したハンドラーは、当該競技には出場できない。
3項 犬
① 参加犬は生後1年以上とする。
② 主催者が不適当と認めた場合、エントリーを拒否することができる。
③ レースマーシャルが犬について危険又は、安全に競技することができないと判断した時は
スタートの直前でも失格とすることができる。
④ 発情期の雌犬は競技に参加、若しくは競技会場に連れてこないものとする。
又、レーススタッフ雌犬が発情期かどうか検査することができる。
⑤ スピードレースに出場する犬との重複出場を認めない。
⑥ 犬の体重について、申し込み時は自己申告とし当日主催者により正式に計量を行う。
4項 防疫
① 競技会場には、狂犬病、ジステンバー、肝炎、その他の伝染病が発生した犬舎から、
用具などいかなるものも持ち込んではいけない。
② 主催者が定める獣医が競技会場内の犬を伝染病被患犬と診断した場合、
そのチームは直ちに会場を退去しなければならない。
5項 犬の識別
① 予選・決勝と2日間で行われる競技については、1日目の予選終了後、予選をクリアした犬はマーキングする。
2条 禁止薬物
1項 犬に対して全ての種類の興奮剤、鎮静剤、鎮痛剤、コルティコステロイド、反プロスタグラジン、
サリチル酸塩を含む反炎症薬剤、反不安薬剤、アナポリックステロイド、痩せ薬、
その他全ての犬の心身に影響する可能性がある薬物の投与を禁止する。
又、公に管理制限されている物質の投与を禁止する。
2項 JFSS及び主催者は前項の禁止薬物について検出テストを行うことができる。
尚、ハンドラー、若しくはオーナーは全ての投与薬物を申告する義務がある。
3項 薬物テスト
① 禁止されている薬物、薬物テストは、IFSSガイドラインのドーピングルールが準用される。
② 薬物テストで禁止薬物が検出された場合、検出犬を含むそのチームは競技役員会の決議で失格とする。
③ そのチームは、薬物テストにおいて主催者の要求に答える義務があり、応じない場合は失格とする。
3条 用具
1項 安全性
① チームが、主催者の定めた用具を使用しない場合は失格とすることができる。
2項 ハーネス
犬には、適切なハーネスを取り付けるものとする。
3項 ソリ
① ソリは主催者が用意する。
② ソリは、最高1,200kgの荷重を安全に運ぶことが出来るものを使用する。
③ ソリの全長は2~3mとし、ソリの滑走面(ランナー)の先端は緩やかな湾曲となっているものとする。
④ ソリの滑走面(ランナー)の幅は5~10cmとし、材質は、プラスチック又は、それに類するものとする。
⑤ ソリとハーネスは、約1.8mの長さでブライドルとタグラインにより繋がれる。
第2章 競技開始前
1条 クラス分け
1項 計量「全ての参加犬は競技開始前に体重を測定する。」
① 計量は試合の当日に行う。
② 計測結果に対する異議は一切認めない。
2項 競技クラス「参加犬は下記の体重による3つにクラス分けを行う。」
① 30kg未満のクラス
② 30kg以上50kg未満のクラス
③ 50kg以上のクラス
2条 スタート順
1項 スタート順は、競技前に主催者によって決定される。
2項 主催者は、任意のシード基準によりシードすることができる。
3項 参加チームは主催者が特別に決めたチーム以外、そのスタート順は他のチームと交換できない。
第3章 エリア構成
1条 競技エリア
1項 シュート、ホールディングエリアを合わせて競技エリアと呼ぶ。
2項 シュート
① シュートは、スタートエリア、プルエリア、ゴールエリアと3つのエリアで構成される。
② 認定された荷重はシュート内に置かなければならない。
③ シュート幅は3m以上、4.5m以下とする。
④ シュートの長さは12.2m以上、18.3m以下とする。
⑤ シュートと観客エリアの間は適当な高さの仕切りを設ける。
⑥ シュート入口、並びに出口はハの字に設定する。
⑦ シュートは、出来る限り水平に固く圧縮する。
3項 ホールディングエリア(スタートするチームの待機場所)
① ホールディングエリアはスタートラインの後方又は、隣り合った場所で確保し、
1クラス全ての参加犬が収容できる様十分なスペースを設ける。
② ホールディングエリアはフィニッシュラインの前に設けてはいけない。
第4章 競技
1条 レーススタッフ(競技役員)
1項 主催者によって選出されたレーススタッフは、公正な立場に立ち
「JFSSウェートプルルール」に基づいて運営しなければならない。
2項 チーフジャッジは競技が安全かつ、公平に行われるよう運営しなければならない。
3項 主催者は競技に際し、競技役員を下記のように配置することが望ましい。
① ソリの移動補助員 2名
② 記録 1名(②③は兼務可能)
③ タイム計測 1名
④ スターター 1名(チーフジャッジが兼務可能)
2条 スタート
1項 参加チームは、競技開始前の決められた時間までにホールディングエリアに待機しなければならない。
2項 ソリの先端を計測のポイントとする。
3項 スタート位置は、スタートライン上のどの位置からでもよい。但し、特に指定のない場合は中央からのスタートとする。
4項 スターターの合図により競技開始とする。
5項 スタートの際、犬の首輪及びハーネスを引くことは認めない。
6項 スタートと同時にいかなる者も犬・ハーネス・ソリに触れることはできない。
7項 犬は、45秒以内に5m荷重を引かなければならない。
但し、犬が45秒を経過した時点でまだソリが動いている場合は、引き続き計測され停止するまで有効とする。
8項 シュート内では、1人のハンドラーが体を使った合図及び、声での命令により犬を誘導することができる。
3条 スタートエリア内での手助け
1項 チームはスタートの直前まで、サポートもしくはレーススタッフの手助けを許される。
4条 フィニッシュ
1項 ゴールはソリの一部がフィニッシュラインに達した時点とする。
① 犬がフィニッシュラインを通過していなくてもソリがフィニッシュラインに達していればゴールとする。
2項 競技中、シュート内には、犬及び、ハンドラー以外立ち入ることを禁ずる。
3項 ハンドラー以外の者による犬への呼び込みは一切禁止する。
5条 記録の判定
1項 スタート重量は、ハンドラーと協議して主催者がこれを決定する。
2項 スタート重量をクリアしたチームは、重量が加算された競技に進むことができる。
3項 競技失格又は、放棄の場合は、その前の重量を記録とする。
6条 同記録時の判定
1項 同一競技で同じ重量をクリアした場合は、そのタイムの速い順に順位を決定する。
2項 主催者への計測方法、記録への異議は認められない。
7条 荷重の増加
1項 荷重の増加は大会当日の天候・路面状況を考慮し、競技開始前までにチーフジャッジにより決定される。
2項 荷重の増加は25kgづつ又は、50kgづつのどちらかの増加とする。
8条 タングル
1項 競技中、ハーネスやラインにからんだ場合、ハンドラーはチーフジャッジに許可を得て
それを直すことができる。(タングル申告)その際、スタート位置に再び戻らなければならない。
2項 上記の状況下では、計測は下記の通り行われる。
① 時間計測は中断されるが時間を再セットしない。
② 再びハンドラーの合図により中断した時点より計測する。
9条 ソリ及び犬がシュート外に飛び出し停止した場合
1項 競技中、ソリ及び犬がシュート外へ飛び出し停止した場合は、
チーフジャッジの指示したラインから再スタートをすることができる。
2項 再スタートラインは、停止したソリの最もゴールに近い部分からゴールラインと平行に引くものとする。
3項 上記(4章-9条1項)の状況下では、計測は(4章-8条2項)を援用する。
10条 パス
1項 ハンドラーは、パスの権利を行使することができる。
2項 パスを行うチームはチーフジャッジにパス申告を行わなければならない。
但し、スタート重量はパスすることはできない。
3項 パスは同一競技に際し2回までとする。
4項 パスを行った後の競技に際し失敗又は、放棄の場合はその前のクリアした一番重い重量を記録とする。
11条 競技中、装備が壊れた場合
1項 ハーネス又は他の備品が壊れた場合、そのチームは再度同じ重さを再競技することができる。
その際、スタート順は、同一競技の最後に行うものとする。
第5章 ルール違反
1条 競技参加者による報告
1項 他の参加者のルール違反を報告するハンドラーは、その違反のあった競技中にできるだけ早く
口頭でその旨を告知しなければならない。
2項 1項の口頭による告知をしたハンドラーは、レースマーシャルまたは、競技役員の要求があった場合、
競技終了1時間以内に書面にて報告しなければならない。
2条 抗告と競技役員会
1項 ルール違反を報告されたハンドラーはレースマーシャルに対し、抗告の為の競技役員会の開催を要求できる。
2項 1項に要求を受けたレースマーシャルは競技役員会を開催しなくてはならない。
3条 懲戒
1項 レースマーシャルは、JFSSルールに違反したチームに対し、口頭警告若しくは
失格の公示をしなければならない。
① 失格以上の責は負されない。
② 決定は、次の競技までに速やかに公示されなければならない。
③ 全ての懲戒行為は表彰式までに行使されなければならない。
④ 薬物テストにより違反が発見され競技役員会が開かれる場合は②、③号の限りではない。
⑤ JFSSの精神を損ない、レースに悪影響を及ぼすことがあった場合は、
競技役員の決議によりそのチームを失格とする。
⑥ 全ての最終決定権は、レースマーシャルにある。